
こんにちは。
『私立さつきや図書館』館長(ブログ管理人)の「さつきや」です
【この記事は2025年5月27日現在の情報をもとに執筆しています。】
今回は、手作り石鹸の販売について、くわしく解説します。

手作り石鹸を販売するハンドメイド作家になりたい!
手作り石鹸のマルシェ販売・各サイトへの出品販売を考えているハンドメイド作家さんの参考になれば幸いです。
手作り石鹸の場合、販売には特別な許可が必要になることがあります。
販売サイトによっては出品が禁止されていることもあり、事前の確認が必要です。
この記事では、主に土の内容について詳しく解説しています。
スポンサーリンク
手作り石鹸販売の基本
まずは、手作り石鹸を販売するうえでの基礎を確認しましょう。

手作り石鹸は3つの分類に分けられる
手作り石鹸は、使う目的によって大きく3つに分類できます。
その石鹸がどれに分類されるかによって、取り扱いが大きく異なります。
石鹸を販売する際には、どの分類に該当するかを正しく理解することがとても重要です。
次の項目から、それぞれの分類について解説していきます。
雑貨石鹸

| 販売しやすさ | ◎:比較的自由に販売可能 |
| 必要な条件 | ・基本的に条件なし ・事実上の表示義務あり ※誤認防止必須 |
| 法律の扱い | 非対象 |
| 備考 | ・説明表現に注意が必要 ・洗浄目的には使えないことを明記すること |
雑貨として分類される石鹸には、たとえば次のようなものがあります。
簡単に言えば、
見た目や香りを楽しむことを目的としたインテリア用の石鹸です。
これらは肌に直接使うことを前提としていないため、「雑貨」として扱われます。
雑貨石鹸はもっとも自由に販売できる

雑貨石鹸には、石鹸の販売に関する次のような規制が適用されません。
※これらの規制については化粧品石鹸・家庭用品石鹸でそれぞれ解説します。
雑貨石鹸はminneをはじめ、多くのハンドメイド販売サイトでも、出品が認められています。
手作り石鹸の販売を始めたいハンドメイド作家さんには、雑貨石鹸がもっともおすすめです。
商品説明には注意が必要

雑貨石鹸の販売には、特別な許可は必要ありません。
ただし、販売時の説明や表現には十分な注意が必要です。
雑貨としての範囲を逸脱した内容になってしまうと、違法行為とみなされる可能性があります。
雑貨として扱われる手作り石鹸は、「洗浄を目的とした製品ではない」という前提で、薬機法や家庭用品品質表示法の適用対象外となります。
商品の説明では誤解を招く表現は避けなければなりません。
これらの記載があると、化粧品石鹸としての取り扱いとなり、薬機法違反や無許可販売に問われるリスクがあります。
人体以外の洗浄用途を想定させる記述もNGです。
これらは家庭用品石鹸とみなされ、別の法令に基づいた表示や手続きが必要となります。
雑貨石鹸の説明は、見た目、香り、インテリア性などを楽しむ目的であることを明記しましょう。
問い合わせ・イベント販売の質問にも慎重に


これは石鹸としても普通に使えますか?
ネット販売やイベント出店などで、お客さまから質問を受けることもあるでしょう。
このような場合、あいまいな回答は避けてください。

自己責任でお願いします

一応、使えるかもしれませんが…
無責任な返答は、使用を黙認した・効能を認めた、として法的には非常に危険です。

こちらは観賞用の商品です。
洗顔や洗濯など、何かを洗う目的ではご使用いただけません。
雑貨石鹸として「使い方」や「意図の伝え方」をはっきりと伝えましょう。
雑貨石鹸の表示義務と注意点

雑貨として販売される手作り石鹸には、薬機法による表示義務は課されていません。
しかし、次の理由から、自主的な表示が事実上の義務とされています。
ネット販売やイベントでの対面販売では、製品情報をきちんと表示することで、トラブルを避けるとともに購入者の信頼にもつながります。
【雑貨石鹸を販売する際の表示項目例】
スポンサーリンク
化粧品石鹸

| 販売しやすさ | △ |
| 必要な条件 | 許可が必要 |
| 法律の扱い | 薬機法 |
| 備考 | ハンドメイド作品として販売できる場所が少ない |
洗顔・手洗いなど、肌を洗う目的で使用される石鹸は「化粧品」に分類されます。
この化粧品石鹸を販売するには次のようなことが求められます。
化粧品石鹸は販売可能な場所が限られる

化粧品石鹸は多くのハンドメイド販売サイトで出品が禁止されています。
そのため、ネット販売をするにはBASEのような自営サイトを利用するのが現実的です。
イベント・マルシェといった対面販売に参加する場合は、主催者に販売可能か問い合わせた方が良いでしょう。
化粧品石鹸は、許可や薬機法に関する正確な知識と準備が求められます。
気軽に販売を始められるものではなく、十分な覚悟が必要でしょう。
化粧品石鹸の販売には許可が必要

化粧品石鹸を製造・販売するには、以下2つの許可が必要です。
これらは薬機法(旧薬事法)に基づいて定められており、次のような条件を満たす必要があります。
自宅での手作り品も化粧品製造業許可は必要


個人が自宅で手作りするだけなのに、大げさじゃない…?
そのように感じるかもしれません。
ですが、薬機法では規模に関係なく「人の肌に使うものを作ること」自体が「製造」とみなされます。
自宅で手作りした石鹸でも、洗顔用・ボディ用として販売する場合には、製造業と製造販売業の許可が必要です。
※販売をしない個人的な趣味の範囲なら問題ありません。
総括製造販売責任者とは?

「化粧品製造販売業許可」の取得には、「総括製造販売責任者(総責)」の設置が義務づけられています。
いずれかひとつの資格を有している必要があります。
名義貸しは違法

資格を持つ親族や知人が関与する場合でも、実際に製造・管理に関わっていないと薬機法違反になります。
手作り石鹸を制作するたび、必ず常駐する必要はありませんが、何らかの形で製造に関与する必要があります。
OEMとは?委託製造でも「販売責任」は残る

石鹸販売での許可について、「OEMを使えば許可は不要」といった情報を見かけるかもしれません。
ですが、すべての許可が不要になるわけではありません。
OEMとは:
製造を他社に委託して、自分のブランド名で製品を販売する仕組み
この場合、製造はOEM業者が行うため、自分で「化粧品製造業許可」を取る必要はありません。
※ OEM業者は許可を取得している必要があります。
ただし、販売するのは自分である以上、「化粧品製造販売業許可」は必要です。
OEM製品はハンドメイド作品としての販売は難しい

OEMで製造した場合、その石鹸は自分で作った「ハンドメイド作品」には該当しません。
多くのハンドメイド販売サイトでは、「自作・自製」が出品条件となっており、これに該当しないOEM製品は出品不可の場合がほとんどです。
OEMでは一定数のロットでの発注が必要となることも多く、趣味の範囲を超えた本格的な事業としての覚悟が必要です。
スポンサーリンク
許可なしで販売したらどうなる?

無許可で化粧品石鹸を販売した場合、薬機法違反となります。
法律違反であり、販売サイトからもペナルティを受けます。
「知らなかった」では済まされないため、事前の確認と準備が必須です。
薬機法における「効能効果の表現制限」にも注意

化粧品として販売できる石鹸の表現には制限があります。
厚生労働省は化粧品に表示可能な化粧品の効能の範囲 56項目を定めています。
それ以外の表現を使うと薬機法違反となる可能性があります。
これに含まれない表現を使用した場合、医薬品と誤認されるリスクがあり、薬機法違反の対象となります。
【OKな表現例(56項目内)】
【NG表現(56項目外)】
※表現は前後の文脈や、「個人の感想です」といった注記の有無にも影響されます。
56項目内であっても、事実でないことを書けばもちろんNGです。
表現方法には十分注意しましょう。
スポンサーリンク
▼外部リンク:厚生労働-省化粧品・医薬部外品等ホームページ
※「化粧品」の項目から『化粧品の効能の範囲の改正について」のPDFファイルを閲覧できます。
家庭用品石鹸

| 販売しやすさ | ◯:表示を守れば比較的自由に販売可能 |
| 必要な条件 | 表示義務あり 成分安全性が前提 |
| 法律の扱い | 家庭用品品質表示法 |
| 備考 | 表示・名称の決まりを厳守する必要がある |
家庭用品石鹸とは、人の肌ではなく衣類・食器などを洗浄する目的の石鹸を指します。
許可は不要・表示義務はあり

化粧品石鹸と違い、家庭用品石鹸の販売には、次のような薬機法に基づく許可は必要ありません。
- 化粧品製造業許可
- 化粧品製造販売業許可
ただし、
「衣類」や「食器」などに使用されるため、家庭用品品質表示法に基づく成分表示・注意書きの義務があります。
表示ルールを守らなければ販売できませんので、注意が必要です。
家庭用品石鹸の表示義務について

家庭用品品質表示法では一定の家庭用品に成分・注意書き等の表示を義務付けています。
手作り石鹸であっても、販売する以上は表示義務は守りましょう。
表示すべき主な項目(洗濯・台所用)
販売者が気をつけるべきポイント

家庭用品石鹸は許可が不要ですが、表示は慎重にする必要があります。
気を付けるポイントをまとめました。
| 成分の明記 | 合成成分がある場合は、配合率・名称を正確に記載 (例:界面活性剤30%) |
| 液性表示 | pHの範囲に基づいた記載が必要 (例:弱アルカリ性) |
| 誇大広告の禁止 | 科学的根拠のない表現はNG (例:絶対に手荒れしない) |
| 販売者情報の記載 | 表示ラベルに屋号や氏名、連絡先を明記 |
分類名は成分によって決まる

洗濯用・台所用石鹸として販売する場合、成分によって正しい名称を使用する義務があります。
| 名称 | 条件 |
|---|---|
| 洗濯用石けん | 純石けん分の含有重量が界面活性剤の70%以上 |
| 洗濯用複合石けん | 純石けん分以外の界面活性剤も含む |
| 台所用石けん | 純石けん分の含有重量が界面活性剤の60%以上 |
| 台所用複合石けん | 純石けん分以外の界面活性剤も含む |
条件を満たさなければ名乗ってはいけない

成分構成を把握せず、上記の名称を勝手に名乗って販売した場合、法律違反となります。

洗濯用のつもりで作りました!
というだけでは「洗濯用石けん」という名称を使って販売はできません。
洗濯用石けんなら必ず、「純石けん分の含有重量が界面活性剤の70%以上」という条件を満たさないと名称は名乗れません。
家庭用品石鹸は販売できる場所も多い

家庭用品石鹸は、「雑貨石鹸」の販売が認められているハンドメイド販売サイトやネットショップなら出品できる場合も多いです。1
ただし、
義務として、販売前に必ず表示内容を確認しましょう。
- 家庭用品石鹸の取り扱いも各サイト・イベントによって異なるため、規約の確認は必ず必要です。 ↩︎
スポンサーリンク
手作り石鹸はどこで販売できる?

この項目では、ハンドメイド作家さんがよく利用する販売サイトでの手作り石けんの取り扱いをまとめました。
minne
| 分類 | 出品 |
|---|---|
| 雑貨石鹼 | ○ |
| 化粧品石鹸 | ✕ |
| 家庭用品石鹼 | ○ |
minneでは、化粧品や医薬品と判断される作品は販売できません。
上記のように考えてよいでしょう。
また、minne公式サイトでは、『身体への使用を想定した記載は控えるように』という案内も掲載されています。
販売可能な石鹸であっても、「身体の洗浄には使用できません」などの注意書きを明記することを強くおすすめします。
Creema
| 分類 | 出品 |
|---|---|
| 雑貨石鹼 | ✕ |
| 化粧品石鹸 | ✕ |
| 家庭用品石鹼 | ✕ |
Creemaでは、石鹸全般の販売が禁止されています。
2020年までは雑貨石鹸の出品が可能でしたが、現在はすべての石鹸類の販売が休止中となっています。
そのため、手作り石鹸の販売を希望する作家さんは、Creemaでの出品は難しいと考えたほうがよいでしょう。
iichi
| 分類 | 出品 |
|---|---|
| 雑貨石鹼 | ○ |
| 化粧品石鹸 | ✕ |
| 家庭用品石鹼 | ○ |
iichiでは、化粧品石鹸の出品は不可とされています。
家庭用品石鹸や雑貨石鹸については、適切な条件を満たせば出品可能です。
ただし、家庭用品品質表示法に基づいた正しい表記がされていることが前提となります。
出品の際には以下の文章を作品ページに転載することが義務付けられています。
《この作品は人体への利用ができない『雑貨石けん』です。肌荒れトラブル等一切の責任を負いかねます。皮膚への使用は自己責任でお願いします。》
iichiでは、石鹸の取り扱いに関して明確なガイドラインが設けられています。
出品を検討している方は、あらかじめ公式サイトの内容をしっかり確認しておくことをおすすめします。
メルカリ
| 分類 | 出品 |
|---|---|
| 雑貨石鹼 | ○ |
| 化粧品石鹸 | ✕ |
| 家庭用品石鹼 | ○ |
メルカリでは、手作りの化粧品類の出品が禁止されています。
そのため、化粧品石鹸は出品できません。
これらのような化粧品石鹸以外の手作り石鹸を出品する場合でも、身体の洗浄には使用できない旨を明確に記載することが重要です。
誤解を招かないよう、作品説明・注意書きでしっかりと伝えるようにしましょう。
BASE
| 分類 | 出品 |
|---|---|
| 雑貨石鹼 | ○ |
| 化粧品石鹸 | ○ |
| 家庭用品石鹼 | ○ |
BASEでは、化粧品石鹸を含むすべての石鹸の販売が可能です。
ただし、必要な許可を取得していることが前提条件となります。
さらに、
販売を行うには事前にBASEへ申請し、販売許可を得る必要があります。
特に化粧品石鹸の販売を予定している場合は、BASEへの申請を忘れずに行いましょう。
販売イベント・マルシェの場合

販売イベントやマルシェでの石鹸の取り扱いは、主催者の運営方針によって異なります。
まずは、出店者向けの募集要項をしっかり確認しましょう。
その上で不明点がある場合は、事前に主催者へ問い合わせた方が安心です。
販売を考えている方はご自身で情報収集を

本記事ではできるだけ正確な情報をお伝えしていますが、法令や販売サイトのルールは変更されることもあります。

この記事ひとつでは書ききれていない情報も多くあります。
この記事を見て「本格的に雑貨石けんの販売を始めたい!」と思った方は、ご自身で情報収集をするようにしてください。
製造・販売に関して不安がある方は、各自治体の薬務課や販売プラットフォームの公式ガイドラインを確認されることをおすすめします。
手作り石鹸を販売するなら薬機法の知識は必要

手作り石鹸の販売には、これらの点は分類を問わず共通する大切なポイントです。
トラブルを防ぐためにも、石鹸を制作・販売するハンドメイド作家さんにとって、薬機法は知っておくべき「必須の基礎知識」と言えるでしょう。
スポンサーリンク
石鹸の販売を目指す方におすすめの通信講座
これまで解説した通り、手作り石鹸を販売するには、制作スキルはもちろん、しっかりと知識を身につける必要があります。

それでも挑戦してみたい!
そんなハンドメイド作家さんに、手作り石鹸について基礎から専門知識までしっかりと身につけられるおすすめの通信講座をご紹介します。
手作り石鹸資格取得講座【SARAスクール】
スポンサーリンク
これから手作り石鹸を学びたい初心者の方も、独学で身につけたスキルや知識だけでは不安を感じている作家さんにもおすすめの講座です。
通信講座なのでスクールに通う必要はなく、手作り石鹸の知識や技術をすべて自宅で習得可能。
スキマ時間を有効活用してスキルアップが目指せます。
2つの資格が取得可能
ひとつの講座で2種類の手作り石鹸資格を取得できます。
ハンドメイド作家の活動に資格は絶対必要ではありません。
ですが、
資格があれば「基礎スキル・知識をしっかり学んで身につけた手作り石鹸作家である」という客観的な証明となります。
目的・予算に合わせてコースを選択可能
「コストを抑えたい」
「最短で効率よく資格取得を目指したい」
目的や予算によって2つのコースから選ぶことが可能です。
基本コースは教材が紙媒体とオンラインの2種類から選べます。紙冊子でじっくりと学びたい方に向いています。
基本コースは別途自分で資格試験に申し込む必要があるため、「せっかく受講するなら資格も欲しい!」というかたはプラチナコースがおすすめです。
スポンサーリンク
薬機法について学びたい方におすすめの本

薬機法って難しそうで、どこから学べばいいかわからない…
不安に思っているハンドメイド作家さんも多いと思います。
そんなハンドメイド作家さんにおすすめの参考書をご紹介します。
『もう迷わない!美容×副業で稼ぐなら「はじめての薬機法」』
テラヨウコ ・カルロス山本【著】
化粧品に関するアフィリエイターやwebライター向けの本ですが、薬機法について、わかりやすく実践的な内容でまとめられています。
薬機法の基本はもちろん、商品説明文を書く上でNG表現なども詳しく解説しているので、ハンドメイド作家さんにとっても役立つ一冊です。
スポンサーリンク
販売目的でなければ許可は不要

自分の趣味として、自分自身で使うための石鹸を作る場合は、営利目的ではないため、薬機法や許可の対象にはなりません。
完全な私的使用(自己使用)の範囲であれば、成分や製造工程も自由です。
販売しないのであれば、どのような材料やレシピを使っても問題ありません。
ただし、以下のようなケースでは注意が必要です。
これらの場合、営利性があると判断され、薬機法の適用対象になる可能性があります。
あくまで「自分だけが使う」目的であれば自由ですが、誰かに渡す場合は慎重に判断しましょう。
まとめ
今回は、手作り石鹸の販売方法や、各出品サイトでの取り扱い状況についてご紹介しました。
やや長文となりましたが、それでもこの記事を読んだからといって、石鹸販売に関するすべての知識が完璧に身につくわけではありません。
この記事がきっかけとなり、「よし、挑戦してみよう!」と前向きな一歩につながれば幸いです。
正しい知識とルールを守って、ぜひ楽しく、安心して手作り石鹸の販売に取り組んでくださいね。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。
【※この記事は2025年5月27日の情報をもとに執筆しています】
スポンサーリンク



コメント