
こんにちは。
館長(ブログ管理人)の「さつきや」です
今回は、ハンドメイド作家さんが利用する「バーチャルオフィス」についての情報をお届けします。

もっと積極的に活動したいけれど、自宅の住所が知られるのは不安……

お客様のことは信じているけれど、商品発送時の個人情報が悪用されないか心配……
バーチャルオフィスを利用すれば、自宅の住所や電話番号を公開せずに、安心して販売活動を行うことができます。
この記事では、
などについて、わかりやすく解説していきます。
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バーチャルオフィスとは

そもそも、バーチャルオフィスとはどんなもので、何が利用できるのでしょうか?
簡単に言うと、
バーチャルオフィスとは、実際にその場所で活動していなくても「住所」を借りられるサービスのことです。
「バーチャル(仮想)」な「オフィス(事務所)」という名前の通りですね。
ハンドメイド作家さん向けのプランも増加中

最近では、ハンドメイド作家さんやネットショップ運営者など、小規模なビジネスを意識したバーチャルオフィスのプランも増えてきています。
こうしたプランは、
が特長です。
まずはそうした低価格で利用できるネットショップ向けプランから試してみてはいかがでしょうか。
バーチャルオフィスはどんなハンドメイド作家さんにおすすめ?

バーチャルオフィスはこんなハンドメイド作家さんにおすすめ
ハンドメイド作家さんがバーチャルオフィスを利用する目的として、最も多いのは
「自宅住所の公開を避けたい」
というケースだと思います。
もちろん、すべての作家さんに必要なものでもありません。
通信販売を利用して活動する作家さん

こうした作家さんは商品発送で差出人住所の記載が必要となる機会が多くあります。
匿名配送を利用するという方法もありますが、対応しているサービスだけ利用した場合は、販売機会が限られてしまうなどのデメリットもあります。
今後の展開を考えて、幅広い機会に活動したい方には、バーチャルオフィスの住所が役立つでしょう。
独自ショップサイトや大手ネットモールで販売する方
こうしたサイトでは特定商取引法に基づく表記で住所と連絡先の公開が義務付けられています。
本来、Creemaをはじめとしたハンドメイド販売サイトも特定商取引法に基づく表記はしっかり設定しておかなければいけません。

ですが、設定しなくても販売活動できているのが実情です。
大手モールや独自サイトではこれらの表記は必須です。
※ minne・BASEなど一部サービスのように、プライバシーが配慮され、特定商取引法に基づく表記の個人情報を非公開設定にできる場合があります。
今後、販路の拡大を考えている方は、表記用の住所を準備しておいてもよいでしょう。
特定商取引法における表記義務は「購入者との取引が発生する場合」に限られます。
サイト運営でもブログや無料コンテンツのみの場合では、表記義務は基本的に発生しません。
個人情報が心配なハンドメイド作家さん

販売活動を続けていると、思いがけず住所の記載が必要になる場面が出てくるかもしれません。
実際の自宅住所とは別に、「公開用の住所」がひとつあることで安心して活動できるなら、バーチャルオフィスの安価なプランを活用するのも一つの手です。
バーチャルオフィスの利用をおすすめしないハンドメイド作家さん
バーチャルオフィスの利用は、ハンドメイド活動をしているすべての方に必要なわけではありません。
対面販売を中心に活動するハンドメイド作家さん
こうした活動では、購入者に作家の個人情報が伝わることはほとんどありません。
委託先やイベント主催者との間で個人情報のやり取りがある場合も
⇩
購入者に住所などの情報が伝わる機会はほぼない
ショップカードや名刺にも、自宅が販売拠点でない限り、住所の記載は不要です。
もちろん、
「念のためバーチャルオフィスの住所を持っておくと安心」
という考え方もあります。ただ、日常的な活動だけであれば、無理に契約する必要はないでしょう。
食品を取り扱っている方

『食品表示法』により、商品パッケージなどに
「製造者または販売者の氏名・住所」を明記する義務
があります。
この住所は、
実際に製造や管理をしている拠点でなければならない
ため、実体のないバーチャルオフィスの住所を記載するのは適切ではありません。
バーチャルオフィスを契約した場合でも…
⇩
食品表示法の記載には基本的に使えない
⇩
レンタルした住所を活用できる場面が少ない。
食品を取り扱う作家さんは、住所を公開する覚悟も必要ということになります。
実店舗をお持ちの方

こうした作家さんは、逆にその住所を公開する方が集客や宣伝につながる場合もあるのではないでしょうか。
ハンドメイドとは別業種の店舗であっても…
⇩
思いがけない新たなご縁につながることも
※ それぞれの事情がありますので、すべての方に当てはまるわけではありません。
すでに店舗として住所を公開している場合は、バーチャルオフィスをあらためて契約する必要性は低いと言えるでしょう。
バーチャルオフィスを選ぶ際のポイント
ここからは、ハンドメイド作家さんがバーチャルオフィスを選ぶ際にチェックしておきたいポイントをご紹介します。
自分の現在の売り上げで借りられるか

バーチャルオフィスの利用料は、
サービス内容によって月額 数百円~数千円・1万円以上
と幅があります。
バーチャルオフィスの費用はランニングコストとして継続的に発生
⇩
利益よりも費用が上回る場合は…
⇩
販売活動自体の継続が難しくなることも
バーチャルオフィスと検討する際は
をしっかりとチェックしておくと安心です。
電話番号も借りられるか

多くのバーチャルオフィスでは、住所と同様に電話番号のレンタルサービスにも対応しています。
電話番号も、特定商取引法に基づく表記で連絡先として記載が求められる項目の一つです。
ご自身の事情や活動スタイルやによって判断しましょう。
また、レンタルした番号へ連絡がかかってきた場合、
それぞれサービスによって対応が異なります。
このあたりは、事前にしっかり確認しておきたいポイントです。
電話番号レンタルは、
基本料金に含まれていることもありますが、有料オプションであることも多いです。

予算とのバランスも考えましょう
荷物の受け取り・返送

バーチャルオフィスのプラン内容によっては、
などにも対応しています。
「荷物の受け取りは原則不可だが、発送商品が返送された場合のみ対応する」というサービスもあります。
まずは、自分自身がどんなサービスを希望するのかを明確にしたうえで、必要な機能が備わっているかどうかを確認しておきましょう。
ハンドメイド作家さんにおすすめのバーチャルオフィス5選

ここからは、ハンドメイド作家さんが気軽に利用できる、おすすめのバーチャルオフィスを5社ご紹介します。
会社によってサービスの内容や料金体系はさまざまです。
ご自身の活動スタイル・目的に合ったプランを見つけるための参考にしてみてください。
和文化推進協会
月額 | 副業・起業支援プラン:0円 朱雀なえもんプラン:550円(年間一括払い) |
電話番号レンタル | あり・基本サービス内 |
郵便物・荷物の受取 | あり・転送料金550円+実費 / 回 |
入会金 | 0円 |
拠点の所在地 | 京都府 |
公式サイトURL | https://suzaku.or.jp/ |
運営会社 | 一般社団法人 和文化推進協会 |
おすすめポイント
コメント
一般社団法人「和文化推進協会」が運営するバーチャルオフィスサービスです。
日本で活動するクリエイターやアーティストの支援を目的とした非営利団体で、
標準プランの「朱雀なえもんプラン」ならひと月あたり税込550円
という格安料金で利用できるのが特長です。
全サービスを無料で利用できる「副業・企業支援プラン」もあります。
法人登記や登録士業からの経営支援を受けることなどが条件となっており、個人のハンドメイド作家さんにはややハードルが高いと思われます。
有料プランでも格安でバーチャルオフィスが利用できる点は非常に魅力的です。
和文化推進協会は、ハンドメイド作家向けのWebメディアも運営しており、バーチャルオフィスも作家さんの利用を想定されています。
▼ハンドメイド作家向けメディア『ハンドメイドチャンネル』
そのため、ハンドメイド作家さんにとって利用しやすい雰囲気が整っているので、気軽に申し込みが可能です。
電話番号レンタルにも、
と、基本料金内で充実した対応となっています。
低コストでハンドメイド作家さんにとって必要な機能が揃ったバーチャルオフィスとして、検討してみる価値は十分にあるでしょう。
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DMMバーチャルオフィス
月額 | ミニマムプラン:660円 ベーシックプラン:2,530円~ ライトプラン:1,650円 ※ 全プラン一括前払い |
電話番号レンタル | あり・追加プラン +2,200円 |
郵便物・荷物の受取 | ミニマムプラン:あり・返品、返送、個人事業主の税金関連書類のみ ベーシックプラン:あり ライトプラン:なし ※ 転送料金330円~ |
入会金 | 5,500円 |
拠点の所在地 | 札幌、仙台、渋谷、青山、銀座、横浜、名古屋、京都、大阪梅田、福岡天神、沖縄 (プランによって使える拠点が異なる) |
公式サイトURL | https://virtualoffice.dmm.com/ |
運営会社 | 合同会社DMM.com |
おすすめポイント
コメント
「DMMバーチャルオフィス」は、オンラインサービスを幅広く展開する大手企業「DMM.com」が運営しています。
といった、安心感が魅力です。
プランは3種類ありますが、ハンドメイド作家さんには
がおすすめです。
自宅での荷物の受け取りが可能であれば、まずは月額660円のミニマムプランから始めてみるのが良いでしょう。
申し込み時には、プランに応じて対象の拠点の中から好きな場所の住所を選べます。
一部の拠点では…
事前予約をすれば郵便物を来店受取できるサービスもあります。
近隣に住んでいる場合には、来店受取に対応した拠点を選んでおくと、いざというときに便利かもしれません。
オプションサービスには
などがあり、充実した選択肢も特長のひとつです。
郵便物の転送については、無料の範囲内でも細かい設定が可能です(一部有料)。
「自分のスタイルに合わせて細かくカスタマイズしたい」という方には、DMMバーチャルオフィスがぴったりです。
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GMOオフィスサポート
月額 | 転送なしプラン:660円 月1転送プラン:1,650円 隔週転送プラン:2,200円 週1転送プラン:2,750円 |
電話番号レンタル | あり・外部サービスと連携 |
郵便物・荷物の受取 | 転送なしプラン:なし 月1転送プラン:あり・定期転送550円/回 隔週転送プラン:あり・定期転送550円/回 週1転送プラン:あり・定期転送550円/回 ※受取対応のプランは「スグ発送」サービスも利用可 ※ 書留・速達などの臨時転送など別途料金が発生する場合あり |
入会金 | 0円 |
拠点の所在地 | 渋谷、恵比寿、新宿、銀座、青山、秋葉原、三軒茶屋、池袋、目黒、横浜、名古屋、大阪・梅田、大阪・心斎橋、京都、神戸、福岡・博多、福岡・天神 |
公式サイトURL | https://www.gmo-office.com/ |
運営会社 | GMOオフィスサポート株式会社 |
おすすめポイント
コメント
「GMO」という名前に聞き覚えのあるハンドメイド作家さんも多いのではないでしょうか。
運営会社の、GMOオフィスサポート株式会社は
ハンドメイド販売でおなじみ『minne』を運営するGMOペパボ株式会社と同じグループ企業
です。
minneになじみのある方にとっては、安心して利用しやすいバーチャルオフィスサービスと言えるでしょう。
プランは4種類あり、主な違いは郵便物の転送サイクルの頻度です。
業務で扱う郵便物の量に応じて、
から選べるのが特長です。
転送なしプランでは郵便物の
など、すべての受取サービスが利用できません。
ですが、郵便物の受け取りを必要としない方にとっては、月額660円という低価格で住所を借りられる点は十分に魅力的です。
全国17カ所にある拠点オフィスでは、
などの施設を利用できます。
契約している住所以外の拠点でも施設を利用できるのは、うれしいポイントです。
作業スペースや打ち合わせ場所もほしい!
という方は、GMOオフィスサポートの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
レゾナンス
月額 | バーチャルオフィスコース:990円~ 転送電話セットコース:3,190円~ 電話秘書代行セットコース:5,390円~ ネットショップ住所貸しプラン:550円~ など |
電話番号レンタル | あり・各コースやプランによって内容が異なる |
郵便物・荷物の受取 | あり・各コースやプランによって内容が異なる |
入会金 | 5,500円 + デポジット1000円~ |
拠点の所在地 | 青山、新宿、渋谷駅前、渋谷神宮前、新橋、浜松町、銀座、日本橋、秋葉原、恵比寿、横浜、R-INNOVATION銀座 |
公式サイトURL | https://virtualoffice-resonance.jp/ |
運営会社 | 株式会社ゼニス |
おすすめポイント
コメント
バーチャルオフィス「レゾナンス」は、ゼネラルリサーチによる調査で
5年連続「バーチャルオフィス部門人気No.1」
に選ばれている実績あるサービスです。
ネットショップ(物販)事業を対象とした
「ネットショップ住所貸しプラン」は、月額550円〜
と格安料金で利用可能です。
転送頻度やサービス内容に応じて、多彩なプランやセットコースが用意されており、
などに合わせて最適なものを選べるのが魅力です。
公式サイトには自動見積もり計算フォームが設置されていて、希望するサービス内容に応じた料金を簡単にシミュレーションできます。
支払い期間は、
などコースによって選択肢が異なりますが、まとめて長期間分を支払うほど料金はお得になります。
ハンドメイド作家さんも、ご自身の活動内容に合ったコースを探してみてはいかがでしょうか。
バーチャルオフィス1
月額 | 880円~ |
電話番号レンタル | あり・月額980円~(外部サービスと連携) |
郵便物・荷物の受取 | あり・転送には郵送費用が別途必要 |
入会金 | 5,500円 |
拠点の所在地 | 渋谷、広島 |
公式サイトURL | https://virtualoffice1.jp/ |
運営会社 | 株式会社バーチャルオフィス1 |
おすすめポイント
コメント
バーチャルオフィス1の特長は、
シンプルでわかりやすい料金設定
です。
基本の月額料金はひとつだけで、必要に応じてオプションを追加できます。
郵便物が届いた際はLINEで
すべてLINE上で簡単に行えます。
LINE通知は基本サービスに含まれており、追加料金はかかりません。
契約は
から選べますが、料金面で見ると年間契約が断然お得です。
「複雑な料金設定はわかりづらくて不安…」という方は、一度バーチャルオフィス1のサービスを検討してみてくださいね。
バーチャルオフィスに関する Q&A

- Q個人事業主だけど特定商取引法に載せる住所は、開業届と同じ住所じゃないとダメ?
- A
開業届と異なる住所でも、特定商取引法に記載する住所として使用できます。
バーチャルオフィスの転送サービスを利用して、郵便物の受け取りや問い合わせに対する連絡が可能な住所や電話番号であれば、法律上問題はありません。
開業届に記載する住所は税務署に対する届出用で、一般公開を前提とするものではないため、公開用の住所として別の場所を使うことに問題はありません。
- Qハンドメイド作品を販売しているけど、特商法の表記は必ず必要?
- A
商品を販売している場合、特定商取引法に基づく表記は原則として必要です。
minneやBASEなど一部のサービスでは、住所などの情報を非公開にできる場合もあります。
独自のネットショップや楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手モールで販売する場合は、販売者の氏名・住所・電話番号などの公開が求められます。
どの販売方法でも、利用するプラットフォームの方針に従って適切に対応しましょう。
- Q食品のラベルにバーチャルオフィスの住所を使ってもいいの?
- A
基本的にはNGです。
食品表示法では、「製造や販売に関する実際の責任者が所在する場所(実体のある住所)」の記載が必要とされています。
実際に作業をしていないバーチャルオフィスの住所をラベルに記載すると、法令違反となる可能性があります。
例外として、「製造所固有記号」の制度を利用することで、一部の情報を省略できるケースもありますが、事前に保健所などの関係機関に相談することが重要です。
食品を販売する際は、必ず表示方法の確認を行いましょう。
- Qバーチャルオフィスのサービス内容でよく見る「法人登記OK」ってなに?
- A
「法人登記OK」とは、そのバーチャルオフィスの住所を、法人の本店所在地として登記できるという意味です。
ここでの「法人」は会社としての活動を前提とした表記なので、個人で活動しているハンドメイド作家さんの場合は、特に気にしなくても問題ありません。
ただし、すでに法人化している方や、将来的にブランドとして会社を立ち上げたいと考えている方にとっては、法人登記に対応しているかどうかが、バーチャルオフィスを選ぶ際の重要なポイントになります。
将来を見据えて選ぶ際は、その点もチェックしておくと安心です。
- Qバーチャルオフィスは申し込んだらすぐに使えるの?
- A
基本的には、バーチャルオフィスを提供する会社による審査があります。
よく「即日利用可能」と書かれていることがありますが、これは「審査結果の通知が早い」という意味であって、申し込んだ直後からすぐに使えるわけではありません。
実際には、申し込み後に審査を受け、結果の通知を待ち、入金や本人確認などの最終手続きを終えてから、住所の利用が可能になります。
そのため、申し込んだ当日中にすべての手続きが完了するとは限りません。
とくに「いつまでにレンタル住所が必要」といった期日がある方は、余裕をもって準備を進めることをおすすめします。
まとめ
今回は、バーチャルオフィスについて、
などを主にご紹介しました。
バーチャルオフィスは、必ずしもすべてのハンドメイド作家さんに必要なものではありません。
ですが、活動内容によっては、住所や電話番号など、個人情報を不特定多数に知られる機会もあり、不安に感じることもあるでしょう。
そういった場合には、ハンドメイド作家さんご自身やご家族の安全を守る手段のひとつとして、バーチャルオフィスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました
【※この記事は2025年5月9日の情報をもとに執筆しています】
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